土地相続を検討しているものの、相続放棄を検討している方もいるのではないでしょうか。
相続放棄は、被相続人(故人)の財産を受け継がないことを選択できる制度です。
しかし、相続放棄を検討する際に気になるのが、放棄後の土地の保存義務についてではないでしょうか。
相続放棄をした場合でも、土地の所有者としての責任は完全に放棄できるわけではないです。
この記事では、土地相続放棄後の土地の保存義務について解説します。
相続放棄を検討している方の不安を解消し、安心して手続きを進められるようにサポートします。
□土地を相続放棄できない?その後の保存義務とは?
相続放棄をしても、土地の所有者としての責任は完全に放棄できるわけではありません。
相続放棄後も、土地の保存義務を負うことになります。
具体的には、土地を適切に管理し、他の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで、その責任を負う必要があるのです。
1: 土地を適切に管理する責任
土地の保存義務とは、土地が滅失したり損傷したりしないように適切に管理する責任のことです。
これは、自己の財産を管理するのと同様の注意義務を負うことを意味します。
例えば、土地が崩落したり、ゴミが溜まったりしないように、定期的に点検や清掃を行う必要があります。
2: 他の相続人や相続財産清算人に土地を引き渡すまでの責任
相続放棄をした場合でも、土地を他の相続人や相続財産清算人に引き渡すまでは、その土地の所有者としての責任を負います。
具体的には、土地の保存状況を報告する義務や、土地を保存するために要した費用を請求する権利などが発生します。
□土地の相続放棄後の保存義務の具体的な内容
土地の保存義務には、具体的な内容がいくつかあります。
1: 土地が滅失したり損傷したりしないように管理する
土地の保存義務の最も基本的な内容は、土地が滅失したり損傷したりしないように管理することです。
これは、土地が崩落したり、ゴミが溜まったりしないように、定期的に点検や清掃を行うことを意味します。
また、土地に隣接する建物や施設からの影響がないかなども確認する必要があります。
2: 土地の保存状況を報告する
土地の保存義務を負っている者は、他の相続人や相続財産清算人の請求に応じて、土地の保存状況を報告する義務があります。
具体的には、土地の現状や管理状況などを報告する必要があります。
3: 土地の保存に要した費用を請求する
土地の保存に要した費用については、他の相続人や相続財産清算人に対して、利息を付して償還するよう請求できます。
例えば、土地の清掃費用や管理費用などが該当します。
4: 土地の保存に必要と認められる債務を負担する
土地の保存に必要と認められる債務については、自己に代わって他の相続人または相続財産清算人が支払うことを請求できます。
例えば、土地の管理費や固定資産税などの未払いが該当します。
□まとめ
土地相続放棄をした場合でも、土地の保存義務は完全に放棄できるわけではありません。
土地を適切に管理し、他の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで、その責任を負う必要があることを理解しておきましょう。
具体的な内容は、土地の保存状況を報告する義務、保存に要した費用を請求する権利などがあります。
相続放棄を検討する際には、これらの内容をしっかりと理解した上で、手続きを進めるようにしましょう。