更地に変更することは、空き家所有者にとって、固定資産税の増加という新たな財務的負担をもたらす可能性があります。
多くの方が誤解しているのは、更地の固定資産税が空き家時よりも高くなる点です。
特に、「空き家を取り壊し、更地にすれば固定資産税が安くなる」と考えがちですが、実情は異なります。
本記事では、更地と固定資産税に関する基礎知識、計算方法、更地にすることで固定資産税がなぜ高くなるのか、そしてその負担を軽減するための戦略についてご紹介します。
□更地と固定資産税の基礎知識
「空き家を取り壊して更地にした方が、建物分の固定資産税が減って安くなりそう」と思っている方は、注意が必要です。
固定資産税の計算方法と、更地ではなぜ固定資産税が高くなるのかについてご紹介します。
1:固定資産税の計算方法
固定資産税は、土地や家屋といった「固定資産」の所有者に対して課される税金で、課税標準額と税率1.4%を用いて計算されます。
土地の課税標準額は固定資産税評価額と必ずしも一致せず、住宅用地の特例が適用される場合があります。
2:更地の固定資産税が高くなる理由
更地の固定資産税が空き家時より高くなるのは、「住宅用地の特例」が適用されないためです。
住宅用地の特例とは、人が住むための家屋が建てられている土地の固定資産税を軽減する特例措置で、更地の場合、これらの軽減措置を受けられずに固定資産税・都市計画税の満額を支払うことになります。
□更地の固定資産税負担を軽減する戦略
土地の有効活用や売却、農地への転用、建物の解体時期の調整など、更地の固定資産税負担を軽減するための方法をご紹介します。
1:土地活用をする
アパート経営やマンション経営などの賃貸経営を行うことで、固定資産税の負担を減らせます。
しかし、新たに建物の固定資産税が課される点には注意が必要です。
2:土地を売却する
更地を活用する計画がない場合は、売却してしまうのも一つの手です。
これにより、税負担を減らせます。
3:農地に転用する
更地を農地に転用することで、固定資産税を安くできます。
農地には固定資産税の計算方法が異なり、基本的には更地のときより安くなります。
4:建物の解体は1月1日以降に行う
建物を解体して更地にする場合は、1月1日以降に行うようにしましょう。
これにより、その年は住宅用地の特例が適用されます。
□まとめ
空き家から更地への変更は、固定資産税の増加を引き起こす可能性がありますが、適切な対策を講じることで、その負担を軽減できます。
土地活用、売却、農地への転用、解体時期の調整などを検討し、負担を最小限に抑えましょう。