相続や投資を考える人々にとって、空き家の効率的な処理は重要な課題です。
そして、不動産会社による空き家の買取は、その解決策の一つとして注目されています。
しかし、買取を選ぶ際には、理解しておくべき重要なステップと注意点があります。
本記事では、空き家買取の手順と買取前後に必要な手続きについて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
□空き家買取の手順
1.不動産会社に査定を依頼する
空き家買取の第一歩は、不動産会社に査定を依頼することです。
査定方法には「机上査定」と「現地査定」があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
机上査定は、土地物件の相場から価格を算出する手法で、時間が比較的短く済むのが特徴です。
一方、現地査定では、不動産会社が直接物件を調査し、より正確な価格を提示します。
2.査定後の打ち合わせ
査定が完了したら、不動産会社との打ち合わせをします。
この段階で、買取価格や契約から引渡しまでのスケジュール、必要書類について確認しましょう。
空き家買取には、登記済権利証や固定資産税納税通知書など、複数の書類が必要です。
売買契約前にこれらの書類を準備することで、スムーズに取引を進められます。
3.売買契約の締結
双方が買取価格に同意し、必要書類が揃ったら、売買契約を締結します。
この契約により、買取が正式に決定し、売主は空き家の処分と早期の現金化を行えます。
不動産会社との契約は、仲介よりも迅速に進むため、売主にとって大きなメリットがあるといえるでしょう。
4.引渡しと決済
最終ステップは、空き家の引渡しと決済です。
売買契約後、必要書類の手続きを経て、物件を不動産会社に引渡します。
引渡しと同時に決済が行われ、売主は買取金額を受け取ります。
この段階で、家具や家財の処分をはじめ、売主は引渡し前の最終的な責任を果たさなければなりません。
□空き家買取前後の注意ポイント
*相続登記の必要性
空き家を買い取ってもらう前には、相続登記が必須です。
相続登記は、財産の所有者を相続人に変更する手続きで、法務局で行います。
この過程で発生する費用には、書類の取得費や登録免許税、司法書士への依頼費が含まれます。
相続登記を行うことで、買取プロセスがスムーズに進行するため、忘れずに行いましょう。
*確定申告と税金の計算
空き家を売却した後は、翌年の確定申告が必要です。
譲渡所得税は、売却によって生じた利益に対して課される税金で、所得税・住民税・復興特別所得税から構成されます。
税率は所有年数によって異なり、所有期間が長いほど税率が低くなる仕組みになっています。
また、特定の条件を満たす場合、譲渡所得税が大幅に軽減される可能性もあるので、お住まいの地域ごとの条件を確認しておきましょう。
□まとめ
空き家の買取は、相続や投資の一環として非常に有効な手段です。
しかし、このプロセスには、適切な査定の依頼から売買契約、引渡しに至るまで、多くの手順が含まれます。
また、相続登記や確定申告など、買取前後の手続きにも注意が必要です。
これらのポイントを理解し、適切に対応することで、空き家を効率的に処理できるでしょう。